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プリズナーズ (2013):映画短評

プリズナーズ (2013)

2014年5月3日公開 153分

プリズナーズ
(C) 2013 Alcon Entertainment, LLC. All rights reserved.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

清水 節

神vs悪魔の構図が見え隠れするヒューマンサスペンス

清水 節 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ストーリーそのものは、感謝祭の日に起きた女児誘拐事件をめぐる悲劇。張り詰めた空気の中、名前・身体・セリフ・事物に至るまで宗教的イコンが散りばめられ、被害者家族と刑事が難解な迷宮の中で苦しみもがく。単なるサスペンスで終わらないのは、悪魔の仕業によって神や信者が試される残酷な宗教画という正体が、見え隠れするからだ。
 
 ヒューマンドラマとしても秀逸。正義の名の下に許される行為はどこまでか。人は皆、何かに囚われて生きている。憎しみの果て、リベンジに心を翻弄された者の末路を観よ。監督ドゥニ・ヴィルヌーヴの眼差しと撮影監督ロジャー・ディーキンスの陰影が、人間の本質を炙り出し、希望の在り処へと導く。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

ミステリーの気鋭監督ドゥニ・ヴィルヌーヴに注目!

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

理想的なハリウッド・デビューではなかろうか? ポリティカルな大作『灼熱の魂』、ニューロティックな小品『複製された男』(日本は7/18公開)で注目を高めるカナダの気鋭監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが強力な座組みを得て全米ヒットを果たした本作。オールドスクールな映画術の使い手である彼の技能が十分発揮された高偏差値ミステリーになっている。

内容はヒッチコックの『知りすぎていた男』などサスペンスの定番=「子供が誘拐される」パターンに、米国の田舎の闇を描く『悪魔のいけにえ』イズムを合体させたもの。父ちゃんが頑張る『身代金』や『96時間』系とは異なり、真綿で首を絞められるような粘着性迷宮型なので覚悟すべし!

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

復讐は正義? あなたのモラルが試される。

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

幼い子供が被害者になる犯罪はとても心が痛み、犯人に正当な裁きをと願う。だから被害者の遺族が“目には目を”的な復讐を望んだとしても仕方ないかなと思うこともある。本作はその当事者の選択を描いていて、ヒュ―・ジャックマン演じる主人公は娘の誘拐犯と決めつけた青年を拉致し、居場所を吐かせようと拷問する。平凡に生きてきた男性の『ロー&オーダー』な世界が瓦解する姿がなんとも居心地悪いが、これこそがモラルの試金石。ヒネリと驚きが牽引する展開に惹きつけられながらも、「私だったら?」と考え続けた。なのだが、マリア・ベロ演じる主人公の妻が精神安定剤飲んでずっとボーッとしている点は疑問の余地が残る。母は強しだよ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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