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鉄道運転士の花束 (2016):映画短評

鉄道運転士の花束 (2016)

2019年8月17日公開 85分

鉄道運転士の花束
(C) ZILLION FILM (C) INTERFILM

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

山縣みどり

ブラックなのに心温まる家族ドラマ

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

電車事故シーンから葬儀、精神分析医との面談へとなだれ込む冒頭にもう目が点で、主人公イリヤが語る電車事故談に唖然。つかみはOK! イリヤの神経の図太さは鉄道運転士という職業柄なのかと黒いつつも、不思議な物語に引き込まれていく。ブラックユーモアたっぷりだが、ビビりな養子シーマのために「冗談でしょ?」と思う行動に出るイリヤの優しさと人間性に心打たれ、心が温かくなる。シーマTの出会いや同僚夫妻との友情、亡き妻のエピソードを単なる“いい話”に落とし込まない監督のセンスにうなる。E・クストリッツァ監督の楽観にも通じる人生観を感じさせるが、これは東欧人の国民性なのかもしれない。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

人生の不条理が浮かび上がるセルビア版「RAILWAYS」

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 外国映画を鑑賞する楽しみのひとつは、遠く離れた異国の人々の日常や風俗を垣間見ること。本作などはまさしくその好例だろう。主人公は定年間近を迎えたセルビアの鉄道運転士イリヤ。自分の仕事に誇りは持っているが、しかし我が子のように愛情を注いで育てた養子シーマが同じ道を志すことには猛反対する。なぜなら、人身事故で人を轢き殺してしまう可能性が高く、そんな心の重荷をシーマに背負ってほしくないからだ。イリヤの記録は28人。日本とはおよそ異なるセルビアの鉄道事情や生活風景。人生の残酷な不条理に胸を痛めつつ、普遍的な親子の情愛や人々の触れ合いに心揺さぶられる。どことなくシュールでユーモラスな味わいも素敵だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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