スペシャルアクターズ (2019)：映画短評

上田慎一郎監督の映画愛＆キャスト愛は、本作でも健在。とにかく、最初はまったく魅力的に見えない大澤数人を、しっかり応援したくなる魔法をかけてくる。そういう意味では、“リアル「モブサイコ100」”としても楽しめるだろう。ただ、ゾンビドラマという設定ゆえ、チープなルックが許された『カメ止め』に比べると、規模感が見えないカルト集団との戦いは、あまりにも小演劇的すぎ。『ミッション：インポッシブル』ばりに盛り上がる作戦も、ただの小競り合いにしか見えない。そのため、オチも含め、『記憶にございません』よりしっかり練られた脚本ながら、シネコンの大スクリーン映えする作品とは、なかなか言い難い。