結果が出るのは遥か先だから、なあなあな気持ちで!

矢口靖史監督と原作者・三浦しをん氏の笑いのツボが似ているようで、絶品のコメディに仕上がっている。第一次産業のなかでも“地味”な林業に飛び込んだ今どきの若者が人間として成長していく姿が本当に好ましい。車で跳ねた鹿を食べ、マヌシを簡単に捕まえ、川の水でのどを潤す田舎の人を間近に見てビビる都会っ子!? ステレオタイプだけど、やがて彼が郷に従っていくのが自然でよろしい。さらに物語の合間に林業についての解説をきっちり織り込んだ姿勢がうれしい。樹木を育て、木材になるまで100年以上かかる壮大な仕事は日常生活では見逃されがち。でも実は非常な労力が加わっていると思うと、木材を見る目が今後は変わりそう。