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台湾、街かどの人形劇 (2018):映画短評

台湾、街かどの人形劇 (2018)

2019年11月30日公開 99分

台湾、街かどの人形劇
(C) Backstage Studio Co., Ltd.
なかざわひでゆき

伝統芸能を継承することの困難と重み

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 台湾の伝統的人形劇・布袋劇(プータイシー)の正統な継承者であり、侯孝賢監督の『戯夢人生』にも主演した伝説的名人・李天禄(リー・ティエンルー)の息子でもある陳錫煌(チェン・シーホァン)に焦点を当て、風前の灯火となった布袋劇の今を捉えたドキュメンタリー。西洋文化の流入や時代に翻弄された歴史も然ることながら、伝統のしきたりに縛られた閉鎖性も衰退の原因のように思える。人間国宝の誉れ高い陳氏だが、しかし弟子を食わすことさえ困難なのが現実。それを打破するため積極的に活動しつつ、老い先短い自分の技を後世に残そうと、カメラの前でその全てを披露する陳氏の名人芸は圧巻であると同時に哀切を感じさせる。

この短評にはネタバレを含んでいます
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