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シライサン (2019):映画短評

シライサン (2019)

2020年1月10日公開 99分

シライサン
(C) 2020松竹株式会社
相馬 学

「私はあなたを見ています」の……の戦慄

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 “貞子”や“呪怨”などで語られ尽くした感もある和製オカルト映画だが、まだまだ開拓の余地はある。そう思わせるだけの熱量が、ここには宿っている。

 眼球破裂の冒頭からして怖がらせる気満々だが、そこからジワジワと悪霊=シライサンを見せていくニクいつくり。ビジュアル的なインパクトはもちろん、民間伝承や土俗文化の要素も色濃く、このクリーチャーの和的な怖さが存分に伝わる。

 ホラーとしてのみならず、SNS世代の話に仕上げた点が面白い。“イイね!”が“私はあなたを見ています”を意味することもある昨今、承認欲求の塊というべきシライサンを通し、恐怖に現代性をクロスオーバーさせた乙一のセンスが光る。

この短評にはネタバレを含んでいます
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