横暴な権力から弱者を救う、“奇跡”の絆

2019年12月31日 相馬 学 リチャード・ジュエル ★★★★★ ★★★★★

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リチャード・ジュエル

 実話の映画化が続く近年のイーストウッド作品の中では英雄か犯罪者かを問われるキャラを描いた点で『ハドソン河の奇跡』に近い。しかし今回の主人公は、より普通人の色が強い、周囲に見下されている部類の人間だ。

 面白いのは、そんな社会的弱者が弁護士という強者と友情を築く点。主人公は疑うことなく弁護士を頼り、最初は見下していた弁護士も、主人公の愚鈍なほどの純粋さを理解する。そんな絆のかたちを権力の横暴という社会的なテーマに溶け込ませたエンタメ性に、イーストウッドの才腕を垣間見た。

 弱者は強者のために潰されるのが当たり前の世の中。そこで起きた奇跡はハドソン河のそれよりもドラマチックだ。必見。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』他の劇場パンフレットに寄稿。趣味でやっているクラブイベントDJの方も忙しくなってきました。

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