やさぐれ刑事VSサイコパス

2020年3月24日 くれい響 暗数殺人 ★★★★★ ★★★★★

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暗数殺人

キム・テギュンといえば、当たりハズレが激しい監督だが、『殺人の告白』のような設定で幕を開け、『殺人の追憶』にも近いヘヴィな展開やモヤモヤした感触が突き刺さる本作は、完全に当たり。やさぐれ刑事の足を使った捜査とさまざまな顔を魅せるサイコパスな容疑者の自供、そして事件の回想で、ほぼほぼ構成されているため、最初はかなり地味な印象も受けるかもしれない。ただ、クァク・キョンテク監督も参加している脚本の面白さに加え、低温な攻防戦を繰り広げるキム・ユンソクとチュ・ジフンの芝居に引きつけられていく。その緊迫感たるや、『スマホを落としただけなのに』が茶番に見えてしまうほどだ。

くれい響

くれい響

略歴:1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では10年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況:『プロジェクトグーテンベルク 贋札王』『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』『オーバー・エベレスト/陰謀の氷壁』『地獄少女』『アイネクライネナハトムジーク』『見えない目撃者』『プライベート・ウォー』『サマー・オブ・84』 『映画 賭ケグルイ』『オーヴァーロード』『BACK STREET GIRLS-ゴクドルズ- 』『サイバー・ミッション』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「Movie Walker」にてポン・ジュノ監督×細田守監督、「香港ポスト」にて谷垣健治監督、「CREA WEB」にて高杉真宙さん、「TV LIFE」にて田辺誠一さんなど、インタビュー記事が掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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