カンバーバッチとシャノンの演技対決を堪能

ベネディクト・カンバーバッチが、たまたま有名な発明王でもあったひとりの人間の、善悪では割り切れないさまざまな側面を丹念に演じる。そのライバルとして描かれるウェスティングハウスは、エジソンの複雑な人物像を際立たせるべく、すべてが真逆。発明家ではなく実業家、複雑ではなく直球、エキセントリックではなく穏やか。そんな人物像をこちらも演技派のマイケル・シャノンが抑えた演技で描き出す。この2人の演技対決がたっぷり味わえる1作。その周辺で、ニコラス・ホルト演じる発明家ニコラ・テスラや、トム・ホランド扮するエジソンの秘書が、ドラマに爽やかな空気を吹き込む。エジソンVSテスラの物語ももっと見たくなる。