ディランになれなかった才能たちへのレクイエム

2014年5月28日 相馬 学 インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 ★★★★★ ★★★★★

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インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌

 ボブ・ディラン前夜、ニューヨークのフォーク・ミュージック黎明期を題材にした映画だが、見るうえで音楽的な知識は必要ない。根幹をなすのは、夢を抱きながらもかなえられない人間のドラマだから。

 売れない、認められない、女性との付き合いも猫探しもうまくいかない……すべてにドン詰まった主人公のフォーク歌手の姿に、己を重ねることは難しくない。ユーモアと愛情を込めたコーエン兄弟の描写はリアリティを確かに感じさせる。

 音楽が魅力を放つ点も見逃せない。主人公には確かに才能があった。が、才能が報われるには機会に恵まれなければならない。多くの埋もれた才能の現実が、ここにもみてとれる。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』他の劇場パンフレットに寄稿。趣味でやっているクラブイベントDJの方も忙しくなってきました。

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