シビアな物語と、おしゃれな映像表現で、不思議なカタルシス

2020年4月3日 斉藤 博昭 WAVES/ウェイブス ★★★★★ ★★★★★

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WAVES/ウェイブス

『ミッドサマー』などで話題のスタジオA24の作品らしく、明らかに独特の、他に類をみない「カラー」を放っている。今作を一言で表せば「クールでスタイリッシュ」。一家の運命が切実な方向へシフトする物語自体はシビアだが、その深刻さを否定するような「大胆な表現力」が全編で駆使され、ギャップで引きつけていく感覚。このあたり最も近いのが、やはりA24の『ムーンライト』かも。カメラワーク、色づかい、音響も含めた音楽の過剰な効果…。極めつけは展開や心情に合わせ、いつの間にか縦横、あるいは上下で変化しているスクリーンサイズの比率。妙なカタルシスを届ける仕掛けが、随所に張り巡らされている。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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