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ワンダーウォール 劇場版 (2020):映画短評

ワンダーウォール 劇場版 (2020)

2020年4月10日公開 68分

ワンダーウォール 劇場版
(C) 2018 NHK

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

くれい響

“変人の巣窟”に立ちはだかる壁

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

学生課に分断の象徴である壁が立てられたことで激化する、学生寮をめぐる学生たちの闘争。岡田准一主演のSPドラマ「反乱のボヤージュ」の京大版ともいえる群像劇だが、京都好きはもちろん、“変人の巣窟”に集うクセモノたちが放つ、熱いのか、冷めてるのか、何とも言い難い熱量が魅力的だ。そして、いかにもノンポリな主人公を演じる須藤蓮を始め、いい顔してる若手俳優が火花を散らす中、ドレッド姿の若葉竜也が美味しいとこをかっさっていく面白さ。「TV版」にケバブの留学生登場シーンなどが追加され、さらに飯テロ力が増した「劇場版」だが、やはりラストのセッションが追加されたことで救われる感もアリ。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

『三島由起夫 vs 東大全共闘』と併せて観るならコレだろう

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

渡辺あや脚本、NHK京都制作の2018年ドラマが劇場版となって登場。京宮大学の学生寮「近衛寮」(京都大の吉田寮がモデル)の老朽化に当たり、それを潰そうとする大学側と学生達が対立する。『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』をちらっと連想しつつ、この青春群像は大きな抑圧から自分たちの「居場所」を守るための闘争となる。

「壁」という主題を巡り、ベルリンの壁崩壊からトランプ政策への補助線を引くことで本作は世界構造の縮図となった。近衛寮のような解放区(アジール)あるいは聖域(サンクチュアリ)が地球上にたくさん在ると想像すること。今の等身大のサイズで展開される「学生(政治)運動」の一形態がここにある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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