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なぜ人は旅に出るのか

2020年4月26日 中山 治美 星の旅人たち ★★★★★ ★★★★★

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星の旅人たち

原題は道を意味する「The Way」。本作ではサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼者の路を指すと同時に、「道は自分探しの旅」だという。『百万円と苦虫女』の鈴子は「探さなくたって、イヤでもここにいますから」と安易な自分探し旅を否定するが、とはいえ人間は過酷な状況に追い込まれないと心と向き合わないもの。本作では道中死亡した息子の意志と遺灰を抱えて、父親が旅に出る。かと言って分かりやすい感動はない。だが自然に身を投じ旅仲間と交流を重ねるうちに、生き抜くためにつけていた鎧や傲慢さが少しずつ剥ぎ取られ自分の弱さや過ちが見えてくる。これぞ旅の醍醐味。何よりスペインの風景が、旅情に浸らせてくれるのだ。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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