朝鮮半島の悲哀を滲ませるリアルなスパイ劇

2013年7月5日 なかざわひでゆき ベルリンファイル ★★★★★ ★★★★★

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ベルリンファイル

民族分断の象徴でもあるドイツのベルリンで、韓国と北朝鮮の壮絶な諜報戦が繰り広げられる。CIAやモサド、アラブのテロリストにロシアの武器商人まで絡むインターナショナルな設定のワリに、スケールは意外と小ぢんまり。冷戦時代の東西スパイ活動を身近に感じて育った身としては、007的な荒唐無稽さと一線を画した演出には説得力を感じる。まあ、それなりに映画的なドンパチ&肉弾アクションはあるけれども。ただ、金正恩政権のどす黒い陰謀でも浮かび上がるのかと思いきや、結局はただの内紛ですか。ハン・ソッキュの下手クソすぎる英語もちょっと気になるポイント。とはいえ、同じ民族同士で南北が憎しみ合うばかりか、それぞれの味方同士でも足の引っ張り合いをする朝鮮半島の悲哀は痛切なくらい滲み出て印象深い。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとしてキャリア30年。TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。海外取材経験も多数。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:最近は今さらながらK-POPのボーイズバンドにドハマり中。一番の御贔屓はMCNDですが、NCTやTREASUREも大好き。もちろんBLACK PINKとかITZYとかEVERGLOWとかガールズにも夢中です。

サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

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