ファシスト政権下の狂乱を自嘲的に再構築したブラックコメディ

2020年5月20日 なかざわひでゆき フェリーニのアマルコルド ★★★★★ ★★★★★

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フェリーニのアマルコルド

 ムッソリーニの独裁体制が確立された’30年代の北イタリアを舞台に、頭の中は巨乳と巨尻でいっぱいの童貞少年チッタをはじめ、どこまでも本能に正直で大らかなイタリア庶民の猥雑とも呼ぶべき生活の営みがユーモラスに綴られていく。そこから浮かび上がるのは、形式的なファシズムの大義名分やカトリックの教義などものともしない大衆の動物的な生命力であり、同時にその子供じみた無分別が全体主義の熱狂へと煽られてしまう危うさである。世間では巨匠フェデリコ・フェリーニの半自伝的作品ともされるが、むしろあの時代の狂乱と堕落を自嘲的に再構築した壮大なブラックコメディのように感じるのだ。(GYAO!にて5/31まで無料配信)

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

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