二度と戻らないかもしれない光景に、映画ファンは落涙する

2020年5月23日 斉藤 博昭 ニュー・シネマ・パラダイス ★★★★★ ★★★★★

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ニュー・シネマ・パラダイス

溢れるばかりの映画愛と少年トトの無邪気すぎる表情によって、物理的に不可能な状況や、ありえない転換など、すべてが奇跡の感動にねじ伏せられる荒技。E・モリコーネの音楽のタイミング、ドラマとの相関も完璧で、化学反応のように本能を震わせる作用がある名作。人生の節目の出会いと別れ、好きなことを仕事にするなど観る人が自分と重ねる瞬間も異様なほど多発する。

今はほとんど使われなくなった「フィルム」への回顧はもちろん、満席で立ち見もギッシリ、みんなが大声で笑う映画館内の風景は、公開の1989年にすでにノスタルジーだったが、コロナ禍の世界から観たら、絶対に味わえない映画館の至福の時間であり、たまらなく切ない。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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