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マルモイ ことばあつめ (2019):映画短評

マルモイ ことばあつめ (2019)

2020年7月10日公開 135分

マルモイ ことばあつめ
(C) 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4

山縣みどり

監督の優れたバランス感覚が物語をさらに深くした

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

光州事件や民主化闘争など韓国映画界は最近、歴史と向き合っている感がある。本作もそうで、日本統治時代に朝鮮語を残そうと努力した人々の苦難が描かれる。国の言葉には国民の魂が宿るもので、言葉を奪うことへの怒りが伝わる。が、オム・ユナ監督は反日をあまり強調せず、言葉集めと辞書編纂に情熱を傾けた人々に集中。人生観も性格も真逆のジョンファンとパンスを軸に当時の庶民の思いや選択が描かれる。投獄されても戦った人もいれば、日本におもねらざるをえなかった人もいたとよくわかる。監督の優れたバランス感覚が物語をさらに深くしているのだ。文字を学び、世界を広げるチンピラ、パンス役のユ・ヘジンがまた光っている。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

言葉の命は大切だ

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『タクシー運転手』(インテリと粗野な庶民のバディ作劇など共通)の脚本家オム・ユナの監督デビュー作で、観応え充分の熱作。辞書作りの過程は『舟を編む』と重なるが(ユン・ゲサンが松田龍平に見える!)、こちらは苛烈な政治性が加わる。日本統治時代の京城における朝鮮語学会の反骨。「言葉」が大衆/民族の精神であると同時に、支配構造の地理的事象(分布図)であることがよく判る。

史実に人情物的なフィクションをこってり加えた作りは良い意味での抽象性をまとわせ、抵抗運動の物語として普遍の回路を持つ。権力を笠に着た容赦ない弾圧は今も続く。Black Lives Matterに連なる視座から読むことが可能なのも必然。

この短評にはネタバレを含んでいます
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