懊悩する下衆は性質が悪い。

2014年6月9日 ミルクマン斉藤 捨てがたき人々 ★★★★★ ★★★★★

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捨てがたき人々

惰性で生き、惰性でセックスする、どうしようもない空虚さに囚われた主人公がレゾンデートルをこれみよがしに呟いてみせるのに辟易。いや、作者はそんな「空っぽさ」をこそ描こうとしているだろうが、対立項としての「罪と罰」やキリスト教的無償の愛がクリシェの範疇でしか扱われないので、単に下衆な破滅指向の男としか映らず、とてもそんなマッチョイズムには付き合ってられませんというのが正直なところ。ただそんなクズにこそのめりこむ女性というのも確かにいるわけで、その点で三輪ひとみ、美保純(ジョージ秋山=『ピンクのカーテン』という連想は嬉しい)、それに内田慈の肉体性はとてもリアルだ。…はい、私も下衆ですから。

ミルクマン斉藤

ミルクマン斉藤

略歴:映画評論家。1963年京都生まれ。デザイン集団「groovisions」の、唯一デザインしないメンバー。現在、京都・東洞院蛸薬師下ルの「三三屋」でほぼ月イチ・トークライヴ「ミルクマン斉藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催中。雑誌「テレビブロス」「ミーツ・リージョナル」「キネマ旬報」等で映画コラムを連載中。

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