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サード・パーソン (2013):映画短評

サード・パーソン (2013)

2014年6月20日公開 137分

サード・パーソン
(C) Corsan 2013 all rights reserved

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

平沢 薫

手掛かりは目の前に提示されている

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

(注意:映画の構成について触れています。ネタバレを完全に避けたい方は、映画を見てからお読みください)ローマ、パリ、ニューヨーク、3つの場所で進行する物語は、ある関連性を持っているのだが、その関係が一気にではなく、少しずつ明かされていく。その脚本の緻密な構成が見事。

 ミステリで言えば、本格。答がいきなり明かされるのではなく、小さな手掛かりが、ちゃんと観客の目の前に提示されていく。

 描かれるのは"信じること"と"嘘をつくこと"を巡る物語。誰がどんな嘘をついているのか、観客はその謎をも解くはめになる。そして、映画の作者と観客の間にも、この謎解きがあったことに気づかされるのだ。

この短評にはネタバレを含んでいます
くれい響

ラストの大仕掛けをどう取るか?

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

以前のようにアクションなしでも魅せてくれるリーアム・ニーソンや、巻き込まれキャラが似合いすぎのエイドリアン・ブロディ。そしてメンヘラ演技で、いつの間に演技派になっていたミラ・クニスと、ここにもしっかり顔を出す彼女の元夫役のジェームズ・フランコなど、ポール・ハギスの才能に惹かれ、名乗りを上げた俳優の演技合戦を堪能する作品である。
何の接点のない3つの物語が描かれる時点で、なんだかんだ『クラッシュ』の呪縛から抜け切れてない感のあるハギスだが、正直ラストの“大仕掛け”は賛否。「やられた!」と取るか、「それまでの雰囲気ブチ壊し!」と取るか? ただ、変に勘ぐらずに流れに身を任せるのが、正しい観方だろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
ミルクマン斉藤

頭だけで考えた映画だけど、これも芸だね。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

こりゃしてやられたな、と思わせる類の作品だ。必要以上に物語をパズル状に組み立てたがるP.ハギスの映画は、脚本が仕上がった段階でほぼ出来上がった印象が強く、今回もまあ同様ではある。関連性がさほど濃密ではない三つの都市での三つの物語が並列して紡がれていくが、緻密なようでいい加減、キャラクターの行動と情動もいささかリアルさに欠ける(とりわけA.ブロディとM.アティアスの関係性)。そんな人物造形や設定のユルさは、最終的に「ネタバレ」したあとでも否めないけれど、一応の納得はいく仕掛けで、いわゆる「本格推理」ものの読後感に近いといえるかも。しかしラストに至ってやっと理解できるタイトルの意味の感慨は弱い。

この短評にはネタバレを含んでいます
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