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ブルータル・ジャスティス (2018):映画短評

ブルータル・ジャスティス (2018)

2020年8月28日公開 159分

ブルータル・ジャスティス
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ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.7

くれい響

登場人物だけでなく、観客をも巻き込む独特なリズム

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

前2作とも余裕の2時間超えで、いきなりのバイオレンス描写に至るまでの“引っ張り美学”を魅せつけてきた、S・クレイグ・ザラー監督。日本での劇場初公開作となった本作でも、ムダに時間を要する張り込みシーンや、回り道にしか見えないサブキャラのエピソードなどに観客を巻き込んでいく。それだけに、バディムービーのイメージが強いメル・ギブソン&ヴィンス・ヴォーンの調理法は、やっぱり斬新だ。今回の残酷描写は抑え目だが、クライマックスのドライすぎる金塊争奪戦まで、ジョニー・トー監督なら90分以内で収めそうな物語を、たっぷり159分。またも、賛否を呼ぶ作家性全開の仕上がりとなっている。

この短評にはネタバレを含んでいます
猿渡 由紀

あえてゆっくり、じっくり盛り上げていく

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

犯罪スリラーの秀作には、スピード感があり、どんどん先に進むものが多いが、これは逆で、あえてゆっくり、じっくりと展開する。狙いの人物を張るとか、車で尾行するとか、普通ならば短く切り上げるシーンも、わざとそうしないのだ。それはまるで退屈でないどころか、その間のおしゃべりや行動などを通じて、彼らの心境をより良く理解させる上でとても効果的。そうやって比較的淡々と進めた上で、過激なバイオレンスで揺さぶりをかけるのである。出番の少ない脇役にまで時間を使うなど寄り道をし、また本筋に戻すのも、小説家でもあるザラーのストーリーテリング。それを楽しめるか、無駄と感じるかは、観客によるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

S・クレイグ・ザラー監督の"暴力"に中毒性あり

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 突然出現する暴力、有無を言わせない破壊力は、監督&脚本のS・クレイグ・ザラーの前2作、「トマホーク ガンマンvs食人族」「デンジャラス・プリズン 牢獄の処刑人」同様。今回もストーリーの向かう先がなかなか読めないが、少々別の味も加わった。
 監督は、日本でも翻訳刊行のある暗黒西部劇小説の作家で、ブラックメタル・バンドのドラマーという、相応しすぎる経歴の持ち主。ヴィンス・ヴォーン、ドン・ジョンソン、ウド・キア、そしてジェニファー・カーペンターも前作に続いての出演で、まるで彼らがみなこの監督の世界の中毒になり、再出演せずにはいられなかったかのように見えてくる。ヴィンス・ヴォーンは似合いすぎ。

この短評にはネタバレを含んでいます
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