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世宗大王 星を追う者たち (2019):映画短評

世宗大王 星を追う者たち (2019)

2020年9月4日公開 133分

世宗大王 星を追う者たち
(C) 2020 LOTTE ENTERTAINMENT All Rights Reserved.

ライター6人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.3

なかざわひでゆき

伝説の名君と科学者の身分を超えた友情を描く韓流時代劇

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 朝鮮王朝の歴史上でも最高の名君と呼ばれる第4代王・世宗と、奴婢から武官に登用された高名な科学者チャン・ヨンシルの身分を超えた友情を軸としながら、当時まだ明の属国であった李氏朝鮮の宮廷に渦巻く巧妙なパワーゲームが描かれる。朝鮮の独立と民衆の幸福を願い未来を思い描く君主、その理想を実現するため全力で支える忠臣。国を動かす者かくあるべしというべき物語だが、美談として綺麗にまとまり過ぎている感は否めない。豪華絢爛たる衣装や美術セットは文句なしに圧巻。そこはさすが韓流時代劇だ。ヨンシルが制作した水時計や天体観測機器の再現も興味深く、その辺は歴史好きなら好奇心を掻きたてられるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

“あったかも”な歴史ドラマはもっと自由でいいよ。

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

世宗大王が乗った輿が壊れ、土下座した家来たちが「殺してください」と絶叫する冒頭から陰謀の匂いがプンプン。聖君として今なお韓国で讃えられる世宗大王とお抱え科学者(?)だったヨンシルの友情物語ではなかったのか? 副題から天体観測と地理計測で暦を作る『天地明察』的な苦労話もきっと描かれると思い込んでいたら、オヨヨ。陰謀渦巻く王宮の闇と民を思う名君のジレンマは韓国の歴史ドラマの常で、もうひとひねり欲しかった。世宗大王が作ったハングルをめぐる攻防も曖昧で、製作側が史実という枠を壊せなかったのが残念。ハン・ソッキュ&チェ・ミンシクの競演が濃すぎて、ややBL風なのが今っぽい。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

星空を見よ、正しき道はそこに

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 朝鮮の発展を促したことで名高い15世紀の王、世宗と、その偉業に多大な貢献をした奴婢。王と奴隷という身分の違いを越えて結ばれる両者の絆が、ドラマの肝。

 両者の共通点は星空を眺めることを好んだこと。これが本作では活きてくる。“身分は関係ない。同じ天をあおぎ、同じ夢をみていればそれでよい”とい世宗のセリフは忠誠や友情、官僚主義や差別といった要素が散りばめられたドラマの中で、味わい深く響く。

 主演を務めるハン・ソッキュとチェ・ミンシクの2大名優が以前に共演した『シュリ』から、すでに20年。同作の熱から韓国映画界の快進撃が始まったわけだが、情を重視したその”熱”は潰えてはいない。力作。

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平沢 薫

星を愛した男たちのロマンチックな物語でもある

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 天体の動きを読み取ることが、時間というものを把握することであり、さらには世界を理解することだった時代。天体観測に端を発した権力闘争を描く政治劇ではあるが、それと同時に、もう若くない男2人の熱い絆を描く物語でもある。「自分は見上げられてばかりいるから、星を見上げることが好きだ」と言う王と、奴婢の身分でありながら独自の天体観測機を製造して王に認められた男が、一緒に夜の星空を眺め、互いに唯一心を許せる存在になる。そんなロマンチックな物語が綴られていくのだ。そしてその関係は周囲に邪魔される。監督は「四月の雪」などの恋愛映画の名手と言われるホ・ジノ。歴史の影にあったかもしれない愛の物語を描き出す。

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猿渡 由紀

手堅いエンタメ時代劇

猿渡 由紀 評価: ★★★★★ ★★★★★

実在の人物を主人公に据え、史実をベースにしながら、そこからはイマジネーションで広げていった、エンタメ性たっぷりの時代劇。高い理想を掲げるも周囲からのプレッシャーを受ける王と、彼の目的を理解できる唯一の存在である奴婢の、奇妙ながら真実の友情が、物語のハート。このふたりを演じるハン・ソッキュとチェ・ミンシクが、とにかくうまい。共演は「シュリ」以来20年ぶりではあるが、その間も私生活でずっと友人だったとあって、ふたりの共演シーンには抜群の信憑性がある。一番の見どころはそこだが、大河ドラマ的なものに期待される要素はひととおり揃っているし、このジャンルにおいては手堅い一作といえるだろう。

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村松 健太郎

流石のデキ

村松 健太郎 評価: ★★★★★ ★★★★★

『シュリ』の二人も随分年を取られたなと思ったら、『シュリ』から20年以上も経っているのですね。
当時から見るとスターパワーは逆転した感もありますが、やはり二人ともうまいですね。
チェ・ミンシクが久しぶりにコミカルな役どころを演じているのも嬉しいです。
どうしても強面の役柄が続きますが、実はこういう路線もはまる役者さんです。
ハン・ソッキュも久しぶりに大作に帰って来てくれたなという感じです。
韓国の時代劇大作にハズレなしの法則はつづきます。

この短評にはネタバレを含んでいます
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