構造を愉しみ、場面の解読に興じるところに醍醐味あり

2020年9月11日 平沢 薫 TENET テネット ★★★★★ ★★★★★

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"ストーリーの構造"を愉しむ映画。冒頭から「時間を逆行して動く物体」の存在が提示され、それがこの物語のキーになることが示される。通常は一方向に流れる時間が逆行することもあるのなら、ストーリーはどのように進み、あるいはUターンするのか。それを賞味する映画であることが、最初から宣言されるのだ。そしてその観点で見て面白い。
 ただし、この映画の"時間"は一般のSF映画とは異なる"本作独自の法則"に沿うので、その法則の説明時には注意して聞く必要がある。さらに、あえて説明されず、それならこれはこういうことなのか?と見る側の推察に委ねられる場面も多数。その解読を試みることも、この映画の醍醐味になっている。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」の脚本家チャーリー・カウフマン監督・脚色の「もう終わりにしよう。」@Netflix、映画だけ見ても面白いが、イアン・リードの同名小説(ハヤカワ文庫)を読むと、カウフマンがこの小説をどう読んだのかが見えてきて面白さ倍増。

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