若い女性のステレオタイプに対する挑発

2020年9月30日 なかざわひでゆき エマ、愛の罠 ★★★★★ ★★★★★

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エマ、愛の罠

 ある出来事のせいで我が子も同然だった養子を取り上げられ、周囲から一方的に愚かで未熟な母親のレッテルを貼られたダンサーのエマが、自らの若さと美しさとセックスを武器に、とある夫婦と自らの尊大なモラハラ亭主を手玉に取って翻弄していく。彼女の行動に秘かな目的があることは早い段階で察せられるのだが、しかし最後に明かされるその真意は全くの想定外で驚かされる。女性への偏見や抑圧が少なからず存在する南米チリが舞台。恐るべき聡明さと大胆さを備えたエマの存在は、若い女性のステレオタイプに対する挑発であり、観客自身の持つ固定概念そのものが試されることになる。フェミニズム映画の新境地とも言えよう。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

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