決して万人にはオススメできない、正真正銘の問題作

2020年10月1日 斉藤 博昭 異端の鳥 ★★★★★ ★★★★★

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異端の鳥

1度目は正視に耐えられず映画祭の上映中に席を立ち、それでも2度目に挑戦。観る側にも強いる苦闘を乗り越えた時、最後に不思議な達成感と余韻が訪れた。

ホロコーストを逃れた少年は行く先々で、彼と周囲に目を覆う厄災をもたらすが、描き方はホラーや戦争映画以上に生々しい。ここまで映画で観せていいのか、コンプラやモラルを問うおぞましさもある。しかしフィルム撮影にこだわった監督の重厚なモノクロ映像が、大半のシーンでは荘厳な美しさを放ち、そのギャップが異世界への扉を開く。そして残虐行為に加え、他者を排除する人間のサガを、現在の世界と照らし合わせて慄然。つまり普遍的。でも誰にでも「観て」と心から推薦はできない。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:LAの『フェアウェル』ルル・ワン監督、ロンドンの『カセットテープ・ダイアリーズ』グリンダ・チャーダ監督に、Skypeインタビュー。ともに外出規制などある中、前向きに明るく話してくれて、一刻も早い日常生活の復活を祈るのみ。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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