英国フットボールの実話に基づく"許し"の物語

2020年10月16日 平沢 薫 キーパー ある兵士の奇跡 ★★★★★ ★★★★★

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キーパー ある兵士の奇跡

 許しの物語であり、つぐないの物語でもある。第二次世界大戦直後の英国を舞台に、実話をモチーフにして、英国人の心意気を描く物語でもある。映画は、それをあえてノスタルジックな色調と柔らかな手触りで昔話として描き、かつてはこういう実話があった、今、それを思い出そうじゃないかと、静かに語りかけてくる。そのようにして、現在世界中で起きている様々な"分断"への問いを投げかけてくる。
 英国の田舎の季節の移り変わり、地元対抗のフットボール試合の熱狂、ヒロインの父親などのひと癖あるが気のいい男たち、それらの雰囲気が、シリアスな問題を内包するこの物語に暖かさを与えている。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」@Netflix、前作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の元ネタはシャーリー・ジャクソンの「たたり」だったが、今回はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」。名作を根底に置いてはいるが、今回もアレンジぶりが物凄い。

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