色と光と動き。アニメーションの魔法に陶酔する

2020年10月17日 平沢 薫 フェイフェイと月の冒険 ★★★★★ ★★★★★

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フェイフェイと月の冒険

 3つの世界が異なるタッチで描かれる。主人公が生活する世界はリアルに、月の伝説の世界は水墨画のタッチで、主人公が訪れた月世界は蛍光色のポップな抽象画のように、三者三様に描かれるのだ。それらが、色彩、質感の違いだけでなく、"光の存在の仕方"でも描き分けられているところに魅了される。とくに月世界の、ほとんど色と光と動きだけで構成された世界のクリアさ、清浄さ。
 加えて、クリーチャーたちの"動き"の豊かさ、愛らしさ。月世界の存在たち、月餅がモチーフの円に細くて小さな手足が付いただけのほとんど色だけの存在や、身体の形が定まらない存在も、動きだけでたっぷり感情を表現する。その"動き"の魔法に魅せられる。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」@Netflix、前作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の元ネタはシャーリー・ジャクソンの「たたり」だったが、今回はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」。名作を根底に置いてはいるが、今回もアレンジぶりが物凄い。

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