"神"の視点を持つ鬼才の、新たな境地

2020年11月18日 相馬 学 ホモ・サピエンスの涙 ★★★★★ ★★★★★

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ホモ・サピエンスの涙

 ドラマがないといえばそうだし、あるといわれてもそのとおり。いずれにしても、日常のスケッチの細切れを羅列するアンダーソン節が深化した、と言っても過言ではない。

 連ねられた悲喜劇はどれも衝撃性とは程遠く、オチがあるわけでもない。が、ナレーションにより、ひとつひとつが連がりを持つ。この声は人間の所業を俯瞰する神のものか!? ともかく本作の神はアンダーソンに他ならない。

 そして“神”の描く映像の美しいこと。新即物主義というアートの表現形態を初めて知ったが、これを映像に投入した本作の肌触りは『さよなら、人類』以上に詩的で、それゆえにシミる。ドラマか否かは、その時点でどうでもよくなる。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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