身体の動きがドラマを語る

2020年11月18日 平沢 薫 劇場版『アンダードッグ』【前編】 ★★★★★ ★★★★★

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劇場版『アンダードッグ』【前編】

 前編、後編という時間の長さが必要なのは、描く内容が複雑だからではない。主要登場人物3人それぞれのドラマを、セリフではなく、彼らの身体の動きによって語らせるためだろう。まず、彼らがトレーニングをしている時間がとても長い。その間中、ずっと彼らの身体の動きを見ていると、そこに彼らの心情のさまざまな揺れ動きが現れてくるのが見える。さらに、それぞれの試合の時間も長い。試合中の動きはシンプルで、ただ打たれないこと、ただ打つことだけに集中した動きなのだが、そこにもまた激しい感情の動きがある。そうして、それらの動きを見ているだけで、こちらの気持ちがその動きに引き寄せられ、持っていかれてしまうのだ。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」@Netflix、前作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の元ネタはシャーリー・ジャクソンの「たたり」だったが、今回はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」。名作を根底に置いてはいるが、今回もアレンジぶりが物凄い。

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