おおらかな風景が教えてくれる

2020年11月20日 平沢 薫 アーニャは、きっと来る ★★★★★ ★★★★★

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アーニャは、きっと来る

 フランスのピレネー山脈の麓の小さな村、羊飼いをして暮らす村人たちの物語なので、風景がまるで70年代アニメ「アルプスの少女ハイジ」。遠くまでなだらかな傾斜を広げる緑の野原、その上をゆっくり移動して行く白い羊たち、その向こうに見える青い山々。村を占領したナチスの兵士の中には「自分も同じような土地で育った」と語り、地元の少年と一緒に山の上の鷹の巣を見に行こうとする者もいる。風景が、さまざまな戦争が実は地続きの同じような土地で育った人々同士の戦いであることを、痛感させてくれるのだ。そんな物語の中に、ジャン・レノとアンジェリカ・ヒューストンが演じる、若くない2人の穏やかな恋愛が描かれるのも粋な演出。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「ザ・ホーンティング・オブ・ブライマナー」@Netflix、前作「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」の元ネタはシャーリー・ジャクソンの「たたり」だったが、今回はヘンリー・ジェイムズの「ねじの回転」。名作を根底に置いてはいるが、今回もアレンジぶりが物凄い。

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