ネオ「シネマ・ノーヴォ」の闘い

血と暴力の寓話……というお約束のコードをぶち破る本気のサプライズ連発。インターネットのMAPに表示されない村で、破格の近未来像(「今から数年後」)が混沌と渦巻く。これはブラジル映画の伝説的金字塔、グラウベル・ローシャ監督の『アントニオ・ダス・モルテス』(1969年)の遙かな後継か? コミュニティの攻防。西部劇を軸とした超ジャンル的な前衛性と土着性。劇画的な残虐性で固められた映画のボディに、さらにエンタメ度を加算。おそらくは最初から「カテゴライズ不能」こそが主題だ。
バクラウとは鳥の名を指すらしいが、『異端の鳥』でお目に掛かったばかりのウド・キアが狂った傑作のアイコンのように、ここにも登場!