女性たちがお互いを守り合う様子に感動

いまだにこの言葉に抵抗を感じる人もいるのを知っていてあえて言うが、今作は最高のフェミニスト映画である。単なる“レズビアンの恋愛もの”ではなく、いくつもの層があって、女性たちが置かれていた立場を考察するのだ。本人の意思に関係なく会ったこともない男性と結婚させられようとしているエロイーズ。父を継ぎ、画家として仕事をしているマリアンヌ。望まぬ妊娠をしてしまい、どうしていいかわからずにいる使用人のソフィー。そんな彼女たちが、立場を越えて心を通わせ、お互いを支えていく様子は、とても美しい。男をほとんど出さずして、それらのことを語ってみせる手腕もお見事。エンパワメントとはこういうことである。