緊迫のセッションに見入る

2020年11月30日 相馬 学 燃ゆる女の肖像 ★★★★★ ★★★★★

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燃ゆる女の肖像

 主要登場人物は女性のみで、封建時代のジェンダーなラブストーリー。男性には身の置き場がないと思われそうだが、そうでないのは“女性の”ではなく、“人間の”恋愛感情の機微をすくいとっているから。

 画家とモデルが知り合い、笑い合い、愛し合うことで質を変えていくセッション。おずおずと、しかし確かに進行する、そんな恋愛の風景が実に丁寧に、繊細に描かれている。

 興味深いのは劇中で強調される“見る”という行為。画家もモデルもおたがいを観察し、内に秘めた炎にふれる。そういう意味では、女優たちの目線も印象的で、観客を射るような緊張感を醸し出す。これは、映画と観客の緊迫したセッションでもあるのだ。

相馬 学

相馬 学

略歴:アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況:『ファナティック ハリウッドの狂愛者』他の劇場パンフレットでお仕事中。「映画の巨人たち リドリー・スコット」(辰巳出版刊)に寄稿。

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