シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

やがて古典的名作として語られるであろう普遍的ラブストーリー

  • her/世界でひとつの彼女
    ★★★★★

     普遍的な愛とは何かを掘り下げたデリケートな映画だ。孤独な男がAIとの会話に癒され、恋に落ちる。スカーレット・ヨハンソンの声によるAIは、賢くも優しくセクシー。やや褪せた近未来を描く撮影とカレン・Oの物憂げな主題歌が、さらに詩情を豊かにする。
     
     互いを知る悦びを経て愛は高揚するが、長続きしない。人間性を学んだAIが、別の相手に惹かれ進化する様は、現実と何ら変わらない。欠落した自分を埋めるようにして強烈に相手を欲する、自己愛の限界。どんなに時代が進んでも変わらぬ人間性。AIとの愛が現実になるであろう数十年後には、切実な想いを託し古典的愛の名作として語る、寂しげな人々が続出しているに違いない。

⇒映画短評の見方

清水 節

清水 節

略歴: 映画評論家・クリエイティブディレクター|1962年東京生まれ|●著書に、「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」、新潮新書「スター・ウォーズ学」(共著) ●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画制作で、国際エミー賞芸術番組部門、日本民間放送連盟賞最優秀賞、ギャラクシー賞奨励賞を受賞

近況: ●シネマトゥデイ短評●「3月のライオン」公式サイト評 https://goo.gl/TCISFh ●日テレ/Hulu「神山健治×大友啓史」対談進行●TOKYO FM「スカパー!日曜シネマテーク」●「Pen」特集コラム●「キングコング:髑髏島の巨神」劇場パンフ●J-WAVE「BOOK BAR」●集英社「kotoba」冬号<蒐集家の悦楽>ギレルモ・デル・トロの悪夢と恐怖の屋敷・荒涼館●映画.comコラム「この世界の片隅に」ドキュメント・レビュー●円谷プロ「金城哲夫賞」プロジェクト●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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