原作のスピリットを踏まえた大脱走的序章

キャラ設定と役者の年齢の差や”鬼”の描写など原作のファンとしては見る前は不安もあったが、前者は設定変更でクリア、後者はCGで乗り切り、ハウス脱出までの物語を巧くまとめ上げた。
脱出がいかに困難であるかを密に描いており、スリリングな逃走劇として、よくできている。“誰も死なせたくない”というヒロイン、エマの強い気持ちも脈づき、ドラマにも熱気が。そういう意味では、原作のスピリットを的確にとらえた映画化。
キーパーソンは、やはり主役の浜辺美波。物語が進むほどエマの天真爛漫なキャラが染み出てきて、役との年齢差が気にならなくなるどころか、エマそのものに思えてくる。早くも続編が楽しみ。