家族とはかくも面倒でややこしきもの

風光明媚なフランスの田舎、とある古い屋敷で母親(カトリーヌ・ドヌーヴ)の誕生日を祝うため、子供たちや孫たちが集まってパーティが開かれるものの、そこへ音信不通だったトラブルメーカーの長女が3年ぶりに帰郷したことから、幸せそうに見える一家が長年に渡って目を逸らしてきた問題や不満や本音が噴出し、賑やかで楽しいはずの集いが修羅場と化す。人間の人生がままならぬように、家族というのもまたままならぬもの。理想の家庭など実は単なる幻想でしかなく、所詮は性格も考えも違う独立した個人の集まりなのだが、しかし家族だからこそ許し合えることがあるのもまた事実。その何とも言えぬもどかしさを、実に生々しく描いている。