「社会」は冷たくても、「人」は必ずしもそうではない

2021年2月3日 猿渡 由紀 すばらしき世界 ★★★★★ ★★★★★

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すばらしき世界

一度レールを外れると、本人がどんなにやり直したいと思っても、なかなか受け入れてもらえない。そんな中で、人はやる気をくじかれていく。世の中はそんなふうに、冷たく、意地悪で、心が狭い。その現実を正直に描きつつも、今作は、人をひとりひとり見ていけば、必ずしもそうではなく、そこにはヒューマニティがあるのだという、もうひとつの優しいリアリティも見せてくれるのだ。映画の前半では「皮肉なのか?」と思えたタイトルも、後になって、決してそうではなく、実にぴったりだったのだとわかる。思い切り泣かせてくれて、でも希望を感じされてくれる、大傑作。

猿渡 由紀

猿渡 由紀

略歴:東京の出版社にて、月刊女性誌の映画担当編集者を務めた後、渡米。L.A.をベースに、ハリウッドスターのインタビュー、撮影現場レポート、ハリウッド業界コラムなどを、日本の雑誌、新聞、ウェブサイトに寄稿する映画ジャーナリスト。映画と同じくらい、ヨガと猫を愛する。

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