上から目線ではなく「全肯定」の描き方が、類をみない感動へ

2021年2月4日 斉藤 博昭 ノマドランド ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ノマドランド

車上生活を余儀なくされ、Amazonなどで季節労働を続ける主人公と、いかにもアカデミー賞が好みそうな社会派テーマながら、そのシビアさから一歩進み、もしかしてこれが人間の理想の生き方かと思わせる。そんな魔力を備え、普遍性を帯びる傑作となった。

もちろん極寒や体調不良と闘い、犯罪の危険をつねに感じながらの日常は、観ていてじつに過酷。しかし、それはどんな人生でも同じ。余計な物を極力所有せず、身軽に、自由に生きる主人公たちの姿が、究極の理想に見えてくるから不思議! しかも心に沁み入るように、じわじわと…。
主演マクドーマンドは計算された巧妙さだが、実際の移動生活者たちの素直な演技に心洗われる感覚も。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:地元の藤沢で、同じ高校出身の大島新監督の『なぜ君は総理大臣になれないのか』凱旋上映。監督のトークのお相手を務めました。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]