Uruが歌い上げる主題歌・挿入歌の破壊力

かなり人間関係が入り組んだ原作を、事件中心のシンプルな構成に脚色したぶん、Wヒロインのトラウマものにまとまってしまった感が強い。過去には「シリアス系なら大丈夫」感があった堤幸彦監督作だが、ドローン多用など、あざといカットはまだしも、同じ家族モノである『望み』に続き、どうもモノ足りなさが残る。しかも、面会室のシーンはいいが、北川景子と芳根京子の演技バトルばかり期待すると、やや肩透かしを受けるだろう。スペシャルドラマのような趣が強いなか、Uruが歌い上げる主題歌・挿入歌の破壊力に加え、心理師のヒロインを取り巻く中村倫也と窪塚洋介が演じる義兄弟キャラに関しては魅力的に捉えている。