欲に駆られ窮地に追い込まれた人々の凄まじい末路

銭湯のロッカーから発見された大金入りのボストンバッグを巡って、多額の借金を背負って行方をくらました風俗店の女社長、その借金を代わりに背負って取り立てに追われる恋人の公務員、事業に失敗してアルバイト生活で身を削る中年男、株投資で借金を作ったせいで夫からDVを受ける風俗嬢らの運命が交錯していく。一見したところ全く繋がりのない彼らの物語が、随所に張り巡らせられた伏線によって、だんだんとひとつに結びついていくストーリーの構成が実に巧み!欲に駆られ窮地に追い込まれた人々が、藁にもすがる思いで誤った選択を重ね、どんどん破滅へと突き進んでいく凄まじい末路に身震いする。ラストの落としどころも見事だ。