哀しみを胸に、肝っ玉母さん奮闘記

かなり直球なベタ展開であり、ヘヴィすぎる問題を扱いながら、いろいろ詰めが甘く見えてしまう“ゲイバー版『ヘンダーソン夫人の贈り物』”。とはいえ、主人公のパワフルな肝っ玉母さんを演じるのが、ジャッキー・ウィーヴァー。『アニマル・キングダム』での女家長のイメージが強すぎるベテランだけに、なかなかのパワーワードを発する息子に先立たれた母を、圧倒的な存在感で好演。しっかり物語を引っ張ってくれる。シングルマザーを演じる金髪姿のルーシー・リューもいいスパイスになっているほか、ボニー・タイラーの「愛のかげり」の使い方も泣かせるラストのパフォーマンスまで、93分でまとめた点は評価したい。