耳のきこえない人たちの10年と、私たちのこれから

2021年3月1日 中山 治美 きこえなかったあの日 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
きこえなかったあの日

東日本大震災から10年を振り返る映像作品は多いが、耳のきこえない人たちに焦点を当てたのは今村彩子監督ならでは。あの災害で得た教訓が、次にどのように生かされたのか? 災害が起こる度に現場に向かい、点ではなく線で追った労作だ。興味深いのは仮設住宅や災害復興住宅で育まれた交流だ。引っ越しを強いられる度にコミュニティが分断されることが懸念されるが、今まで触れ合うことのなかった人たちが軒を連ねたことで新たな絆も生まれたことに一筋の光を見る。同時に浮き彫りになる、口話法が重んじられた日本のろう教育の問題点。これからの10年のために、私たちが知るべきことが本作に詰まってる。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

中山 治美さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]