端正な迷宮の中で恐怖が静かに膨れ上がる

2021年3月1日 平沢 薫 ビバリウム ★★★★★ ★★★★★

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ビバリウム

 何かのメタファーとしても見られるし、侵略SFとして見ることも可能。主人公たちが遭遇する存在が決定的に異質なものだと痛感させる衝撃的瞬間があるのに、最後には、果たしてその存在の行為は自分の行為とは違うのかという問いを投げかけてくる。
 監督ロルカン・フィネガンが1話完結のSFTVシリーズ「ブラック・ミラー」出身なのも納得、本作もあのシリーズ同様、ちょっと寓話的でブラックなテイスト。そのうえで、映像はグレードアップ。同じ形の家が並ぶ奇妙な町の整然とした静かな光景。それが延々とどこまでも続き、その中をどの方向に向かっても町の外に出られないという閉塞感。端正な迷宮の中で恐怖が静かに膨れ上がる。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:アニメシリーズ「インビンシブル〜無敵のヒーロー〜」@Amazonプライムを視聴中。クリエイターが「ウォーキング・デッド」の原作コミック作者ロバート・カークマンなので、第1話のラストから「おおっ!?」な展開。全8話と短めだし、最後まで見届けないと。

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