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黄金のメロディ~マッスル・ショールズ~ (2013):映画短評

黄金のメロディ~マッスル・ショールズ~ (2013)

2014年7月12日公開 108分

黄金のメロディ~マッスル・ショールズ~
(C) 2012 EAR GOGGLES PRODUCTIONS.LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

ライター3人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.3

ミルクマン斉藤

「歌う川」の奇跡を味わいつくすべし。

ミルクマン斉藤 評価: ★★★★★ ★★★★★

冒頭、「これは自然ドキュメンタリ?」と訝しむほど美しく映し出されるテネシー川の諸相。ほどなく、R&B好きには伝説の場所といえるリック・ホールの「フェイム・スタジオ」、そしてリズム・セクション「スワンパーズ」の面々が設立した第二のスタジオの歴史が、天才シンガーの変遷とともに怒涛のごとく綴られていって昂奮させるのだけれど、結局は「何故、このアリゾナの田舎町に音楽の桃源郷が生まれたのか」という謎へと帰結する。象徴的なのは先住民ユチ族が、この川だけに「歌」を聴きとったこと。リックもスワンパーズもみな白人でありながら(!)あの黒い音を造りだせたという理由を本作はこの川にこそ求めるが、それはきっと正しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

最高にホットな音楽を生んだド田舎の秘密に肉迫

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 “あそこの音楽は何かが違う”と音楽業界人に思わせたR&Bのメッカ、米アラバマ州マッスル・ショールズ。その“何か”に迫る点で、音楽ファンとして興味深く鑑賞できた。

 主人公は人口わずか8千人のマッスル・ショールズという土地。綿花畑の隣に建てられたスタジオから名曲が生まれた事実はもちろん、そこに根を張る決めたミュージシャンたちの人間ドラマに魅了される。

  “ダンス天国”“男が女を愛する時”等々の名曲が生まれた舞台裏や、ビートルズ、ストーンズ、ディランら人気アーティストとこの地との関わりを知る上でもロック・ファンは見逃せない。同時代を題材にした『永遠のモータウン』と併せて見て欲しい。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

超マニアックなのに普遍的な音楽の感動を伝える傑作

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

R・ストーンズの『スティッキー・フィンガーズ』など、名盤ライナーノーツで幾度も目にしたアラバマ州の録音聖地マッスル・ショールズ。本作には同地ゆかりのスターが多数登場するが、主人公はフェイム・スタジオを設立したリック・ホールと、そこからマッスル・ショールズ・サウンド・スタジオを独立させた白人セッションプレイヤーたち「スワンパーズ」だ。

パーシー・スレッジの「男が女を愛する時」など、60年代を代表する有名ソウル曲の演奏が白人バンドだったという事実は、音楽史ばかりか米国史の把握に揺さぶりをかけるはず。それにしても『トム・ダウド』(03年)辺りからか、音楽ドキュは裏方を掘り出して本当凄みを増したよ!

この短評にはネタバレを含んでいます
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