さらばと、さよなら

あまりの急展開で、誰もが驚愕した前作『Q』で広げまくった大風呂敷を、155分かけて、きっちり畳む。前半でさらに世界観を広げたことに戸惑うが、ここで人間ドラマがきっちり描かれているからこそ、後半に効いてくる仕掛けに納得。第2次アニメブームの火付け役となった“あの作品”などにオマージュに加え、「さよなら」繋がりでクライマックスに流れる“あの映画主題歌”では昇天。RADWIMPSが似合いそうなサプライズもありつつ、締めの宇多田メドレーがやっぱりアツい。「TV版」「旧劇場版」「シン劇場版」と、それぞれのラストを考えると、『シン・ゴジラ』を挟んだことによる庵野秀明監督の余裕も感じられる。