地元テレビ局の記者たちによる”次”への思い

2021年3月11日 中山 治美 たゆたえども沈まず ★★★★★ ★★★★★

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たゆたえども沈まず

地元局が満を持して制作した本作。ここにはあの日救えなかった命の無念さと、それを抱えながら生きている人たちの”悲劇を繰り返すまい”という思いが詰まっている。”津波てんでんこ”の教えを伝える防災動画を震災2年前に制作し、それを実行して隣の小学校の生徒たちまで救った釜石東中の事例。車椅子で津波に流された人を思いながら裏山に避難経路を作った旅館の女将。それらを感動秘話にするのではなく、事実を残すことに徹しているところに報道記者たちの覚悟が見える。それでも時折垣間見える同じ被災者同士という距離感の近さ。地元局だから捉えられた被災者の言葉では言い表せない本音や感情も映像から伝わってくるだろう。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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