従来のテスラのイメージを大胆に再構築

シェイクスピアの名作を果敢に脚色した『ハムレット』『アナーキー』で組んだイーサン・ホークと監督・脚本のマイケル・アルメレイダが、今回は名作ではなく"既存の人物像"を大胆に再構築。『ブレステージ』でデヴィッド・ボウイが演じたテスラとも、『エジソンズ・ゲーム』でニコラス・ホルトが扮したテスラとも違う、従来の孤高の天才というイメージを覆すテスラが描かれる。
その演出法がかなりユニーク。物語は、テスラと交流のあった実在の女性の視点から語られるが、彼女には"語り手"の特権があり、過去の写真の提示やネット検索もする。「もしこうだったら」という彼女の空想場面も登場。史実と虚構の混在ぶりが刺激的。