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テスラ エジソンが恐れた天才 (2020):映画短評

テスラ エジソンが恐れた天才 (2020)

2021年3月26日公開 103分

テスラ エジソンが恐れた天才
(C) Nikola Productions, Inc. 2020

ライター5人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.6

森 直人

誰もが世界を支配したがっている

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『エジソンズ・ゲーム』のスピンオフ?とか言われそうな遊戯性満載の異色作だが、筆者はこっちの方がハマった。アン・モルガン役のイヴ・ヒューソン(U2のボノの娘)がキャスター的にメタ解説する。「ニコラ・テスラをGoogle検索すると~」とか。そして1985年の某ヒット曲! トリッキーでパロディックな語り口はカルト人気を誇るテスラにお似合い。

ノーラン(『プレステージ』)もジャームッシュ(『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』)も大好きな「不遇の天才」はマニア心をくすぐる。若き日に脚本を書いたアルメレイダ監督は、スコリモフスキかマカヴェイエフによる映画化を望んでいたってのも痺れる逸話だ。

この短評にはネタバレを含んでいます
相馬 学

伝記ドラマ?NO!天才の思考に関する考察

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 “思考に注意なさい。思考は生きて、遠くへ行く”というセリフがあるが、本作はテスラの思考世界をビジュアル化する試みというべきか。

 年代を追ったいわゆる伝記ドラマではないし、時代考証を重視した歴史劇でもない。現代の視点でテスラを見つめ、当時はなかったインターネットや、その先のデジタルの可能性にも言及。未来を見つめていたテスラの思考に驚かされる。

 ラップトップや「ルール・ザ・ワールド」の歌唱なども飛び出す、タイムレスな感覚はシェイクスピア作品を現代劇のドラマとして蘇らせたアルメレイダ監督らしさとも言えよう。思考に注意しきれなかった男の悲劇としての映画の着地も、上手い。

この短評にはネタバレを含んでいます
なかざわひでゆき

自由な演出技巧で偉人の素顔に迫るアプローチは面白い

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 ある意味で『エジソンズ・ゲーム』の対となる作品とも言えるが、しかしこちらは電流戦争以降のテスラの半生に焦点を当てることで、天賦の才に恵まれながらも世事に疎かったがために落ちぶれてしまった理想主義者の悲劇を浮き彫りにしていく。伝記映画としては掘り下げが足りないようにも感じるが、その一方で20世紀初頭の登場人物たちがおもむろにスマホやMacBookを使い始めたり、ロケでもセットでもなくリアプロジェクションで一部背景を処理したり、テスラがいきなりティアーズ・フォー・フィアーズをカラオケで歌い始めたりと、様々な演出技巧を凝らしながら歴史上の人物の素顔に迫ろうとするアプローチは興味深い。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

従来のテスラのイメージを大胆に再構築

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 シェイクスピアの名作を果敢に脚色した『ハムレット』『アナーキー』で組んだイーサン・ホークと監督・脚本のマイケル・アルメレイダが、今回は名作ではなく"既存の人物像"を大胆に再構築。『ブレステージ』でデヴィッド・ボウイが演じたテスラとも、『エジソンズ・ゲーム』でニコラス・ホルトが扮したテスラとも違う、従来の孤高の天才というイメージを覆すテスラが描かれる。
 その演出法がかなりユニーク。物語は、テスラと交流のあった実在の女性の視点から語られるが、彼女には"語り手"の特権があり、過去の写真の提示やネット検索もする。「もしこうだったら」という彼女の空想場面も登場。史実と虚構の混在ぶりが刺激的。

この短評にはネタバレを含んでいます
山縣みどり

時代を軽々と超える天才テスラのレガシー

山縣みどり 評価: ★★★★★ ★★★★★

『エジソンズ・ゲーム』では脇役だった発明家テスラの孤独な天才ぶりがよくわかる物語だ。少年テスラが電気に興味を抱いた逸話から始まり、エジソンとの確執や富豪モルガンとの蜜月と絶縁から浮かび上がるのは、ビジョナリーの功績。その一方でビジネスに必要な政治的な駆け引きに疲弊していく脆さも露呈する。M・アルメレイダ監督は、Wikipediaではわからない複雑で謎めいた発明家の人間性を追求する。舞台設定は19世紀だが友人だった富豪令嬢アン・モルガンは21世紀の視点でテスラを語るし、出資を拒否されたテスラの怒りの表明は「ルール・ザ・ワールド」熱唱。真実と創造が入り混じった、時代を超越するレガシーに目が釘付け!

この短評にはネタバレを含んでいます
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