騙し合いのドラマだが気分は爽やか

2021年3月24日 平沢 薫 騙し絵の牙 ★★★★★ ★★★★★

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騙し絵の牙

 騙し合いのドラマだが、見た後の気分は爽快。それは、登場人物たちがみな、そのやり方はいろいろあっても、とにかく前に進もうとする人たちばかりだからだろう。本作はたまたま出版業界を舞台にしているが、今はどんな場所にいても、想定以上の速度で変化していく周辺事情の中で、これまでのやり方を続けていくことが出来なくなっているという状況は同じなのではないか。そんな中、登場人物たちが、自分は何をやったら面白いのかを追求して動き回る姿が痛快。ストーリーが軽快に進み、騙しのドラマが重くならないのは、主人公を演じた大泉洋の持ち味の影響もありそうで、原作小説の主人公がこの俳優を念頭に書かれたというのも納得。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「CALLS コール」@AppleTV+ 、電話の音声だけで構成されたドラマだが、製作総指揮が「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督なので技あり。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(13)や「THE GUILTY/ギルティ」(18)が進化して突然変異に?

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