どんな観客も受け入れる、オールジャンル的な楽しさはある

「同じ日が繰り返される」設定は、多くの名作があるので特に新味はない。でも、だからこそ安心して身を任せられるし、逆にこの設定が初めての人には、日々の反復を「学習」する主人公の行動を、辻褄を合わせながら痛快に楽しめるはず。
ラブストーリー、コメディ、ちょっぴりサスペンスとアクション…と、過不足なく詰め込んだバランス感も絶妙。ある重要なキャラが、リピート人生の悲哀を切々と打ち明けるなど、不覚な感動シーンも織り込んだりして、まさに映画のオールジャンル、いいとこ取りの贅沢さ。深いテーマに行きそうで行かない点は、主演アンディ・サムバーグの持ち味どおりで、やっと彼の映画の代表作が生まれたのが何よりの喜び。