硬派ボーズマン、最後のハードボイルド

正義と悪、理想と現実、権力者と下っ端……そんな70年代的社会派アクションのテイストを漂わせながら、21世紀の犯罪の構図を浮かび上がらせた意欲作。
父親の跡を継いで刑事になった主人公の一本気なところがキャラ的な魅力として機能し、ラスボスへとたどり着く道程を盛り上げる。一方では一本気では太刀打ちできない通じない悪の存在を浮かび上がらせる硬派なつくり。
主演とともに製作を兼任した故C・ボーズマンはブラックパンサー的なキャラを活かし、この役に没入。人間のピュアネスを表現できる彼が演じたからこその魅力もあり、そんな個性に触れると、改めて早逝が惜しまれる。